更新日2002-12-23

〜近 況 お 知 ら せ〜

 

黒田 進氏(政経12年次)の書簡
 

杉原 哲彦君の友人の皆様へ

2002年12月20日
黒 田 進
東京都目黒区八雲3-27-8

Tel:03-3724-8776
Fax:03-3724-6871

拝啓、皆様いかがお過ごしですか。年内余日も少なくなり、何かとお忙しいことと存じます。
さて、昭和39年13回卒の杉原 哲彦君のことについてご報告いたします。去る11月9日の夜、天野さんという女性より電話があり、杉原先生の現状についてご存知でしょうかとの質問でした。毎年4月”成蹊櫻祭”を利用し開催される安藤ゼミの集り、また6月のバドミントン部OB総会にも現れなかったので、学校が忙しいのだと思っていたとお答えしたところ、杉原哲彦君は老年期の痴呆症の一種であるアルツハイマー病に 罹っているとのことでした。本年4月末より身体の調子が悪くなり、7月にアルツハイ マー病と診断されたようです。このことは本人もご存知です。

アルツハイマー病は脳に老人斑が蓄積した後に、糸くず状のたんぱく質がたまって、 次第に神経細胞が死滅して発症するというのが有力な説ですが、現在のところ病気の 進行を遅らせる薬しかありません。天野さんより皆様に電話でもしていただければ、 杉原君の記憶が少しでも回復・維持出来ると伺い、安藤ゼミ同期の石川兄、バドミン トン同期の中本兄等に電話の依頼を致しました。私も話したのですが、鬱のような状 態で反応が弱く返事もハイ・ウンの類で、なかなか会話になりませんでした。

11月末に天野さんより電話があり、12月6日〜9日に神戸にて開催される全日本シニアバドミントン選手権大会に杉原君が教え子に同伴され下関より観戦のため出てくるとの連絡を受けました。小生12月8日に神戸に行き、杉原君及び天野さんと一緒に半日を過ごしました。天野さんによれば、今回の杉原君はずいぶん楽しそうだったそうです。てっきり天野さんは杉原君の教え子の一人だと思っていましたが、彼女は全日本シニア大会に東京より参加されたママさん選手です。天野さんは直腸ガンの3回に渡る大手術、 1年半の闘病生活、その後2年4ヶ月にてシニア選手権にエントリーへと現役復帰、そのファイトぶりにはまったく頭が下がります。天野さんは台湾・韓国でのバドミントン国 際交流大会、杉原君のライフワークの一つである焼物、ことに淡路島での伊賀焼の窯焚にも参加しておられます。また、天野さんは「保険屋さんのガン闘病記」を潟fジタル パブリッシング サービス(電話03―5225―6061Fax03-3266-9639)より自費出版しておられます。ご興味のある方是非ご購読のほどお願い致します。

杉原君と私の接点は安藤ゼミとバドミントン部で一年先輩であったことですが、もっと も杉原君は2年生の時より安藤ゼミに出入りしており、むしろ先輩であったかも知れません。成蹊大学卒業後、杉原君は一橋大学大学院の博士課程を修了し、下関に新設された東亜大学経済学部の教授をしているとの風の便りが聞こえてはいました。30年間まったくの音信不通でしたが、丁度10年前の1994年11月に銀座のアルテリーベで安藤先生が編集された故梶山 力訳「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の出版を祝う会にひょっこり現れました。私も卒業以来の再会で、その夜は我が家に泊り夜遅くまで話し込みました。専攻のポーランド 中・近世経済史から我国の生活 文化史、社会史へと転換。その他窯業史、商業史、経済史、スポーツ理論と幅広い分野に論文―雑文を書いている。また、現役のバドミントン選手が全日本シニア、及び教職員大会で9回全 国優勝し、東亜大学バドミントン部の監督でもある。また、ゼミ卒業生、前田 幸一君の鶴来窯の構築・窯話・窯焚を指導し、伊賀青磁の焼成に力を注いでいるとの話でした.

杉原君の価値観・人生観は雑文集「生き甲斐のある生活をするとはどういうことか」の 書評がよく書けておりますので、添付させて頂きました。何か安藤先生の心境に近づい ている様ですね。

何はともあれ生涯現役を貫こうと努力している最中に、アルツハイマー病に犯されると は本人にとってとても悔しい思いをしているに違いありません。皆様にて音信していただければ大変うれしいと思います。よろしくお願い致します。連絡先は下記の通りです。

  〒751-0807
  山口県下関市一の宮学園町5-3-6
  自宅電話;0832-56-3834

また、来年3月26日(水)より1週間 東京都墨田区錦糸町の”山下ギャラリー”にて前 田君の初めての伊賀焼作品展の開催が予定されております。杉原君も体調により上京す るかも分かりません。是非ご来場をお待ち致します。
                                         敬具


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