投稿者:鈴木茂昭
投稿日:2004年12月 8日(水)
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下記のようなメールを鈴木茂昭様から森谷仁朗宛頂戴し、転載の了承を得てここに掲載致しました。
安藤先生7回忌の集いで久しぶりに先輩方とお会いできて嬉しかったです。みなさんが安藤先生との出会いを大切にし、それを自分の生き方に結び続けていられることがすばらしいと思いました。 森谷先輩、早速、安藤先生の復活論文ブリーフをお送りいただき、ありがとうございます。 非常に興味深いもので、一気に読んでしまいました。 感想めいたものを二、三書かせていただきますと、まず最初にこれは大変珍しいものではないか、ということです。 その最大の特徴は、卒業生に対する手紙、という形式にあるとおもいます。 1,そのために、安藤先生の論文としては珍しく非常にわかりやすい文章になっていること。 また、非常にストレートにメッセージを発していること。まさに安藤節そのものです。
2,そして内容も、政治・社会状況に対する発言を多く含み(しかも一定の政治的スタンスを持った発言で、まるで安藤風アジテーションのようです)、先生自身はこれを論文とは意識していなかったのではないか、学術論文であったらこのようには書かなかったのではないかとさえ思えます。 次に、内容自体も非常に興味深いものでした。なんというか、若きマルクスボーイとでも言えるような面影が見て取れます。確かに安藤先生の(思想的な)出発点を示していると思います。 ついでに言えば、この論文が書かれた一九五三年は、まさに僕が生まれた年であり、僕が大学で接したときの安藤先生の印象は、もっとペシミスティックな感じだったような気がします。 そしてもう一つ、この論文が現在でも通じるところが驚きです。当時と今も状況はあまり変わっていないということなのでしょう。そしてなによりも語られている思想が、時代を貫く本質に届いているからだと思います。 余談ですが、うちのカミさんは、なにも知らずにこれを読んで、今の時代に向けてかかれたものと受け止め、安藤先生の遺稿だと誤解したようです。
大変貴重な資料をありがとうございました。
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