作成日2005-5-3
政経5年次 吉田弘子
「遅すぎないうちに」 読後感


この一冊は、非常に多くの問題を提供していて
何から述べて良いか混乱してしまう位である
先ずもって21世紀の地球上にこういう男尊女卑の国家が存在し、石油を産出するが故の、豊富な資金を、イスラームの世界制覇へ向けて、つぎこんでいるという事実を西欧社会(日本を含めて)のどれだけの人が認識しているだろうか, という事である。
私は、民主主義、基本的人権の尊重という、現代の日本の社会に、幸いにも生まれあわせているから、それを当然のものとしてものを考えてしまう。ただし、男性と女性には、やはり それぞれに適性というものがあり、どんな世界においても同権でなくてはならぬ、とは思っていない。しかし、サウジアラビアの女性の生き方は、人間としてあたりまえのことも許されていないようだ。宗教が、これほどまでに生活のすべてを規制し、厳格な戒律を守ることを要求していると、基本的人権など問う思想そのものが入る余地は無いことになる
サウジアラビアがイスラームの中でも、特に厳格な、ワッハーブ派であるからで、インドネシアなどへ行くと、そんな強烈な戒律はないと聞くが、女性自身が「それで良い」と思っている社会では、新しい発展はのぞめない。
2001-9-11
.世界貿易センタービルへの攻撃で、西欧社会が愕然とさせられた、イスラーム原理主義者オサマ・ビンラディン一派の考え方は、自分達のイスラーム社会に対し、アメリカを源とする西欧文明は、「悪」をもたらすばかりのものとして憎悪をもやしつづけ、報復一撃を加えたということらしい。現在莫大なサウジの石油収益の6%をつかって世界各国にモスクや礼拝所を建設し、イスラーム教の信者をふやそうとしているという。彼らが、アラー丈が神であり他宗教に全くの不寛容で、異教徒に対する情け容赦のない姿勢で、尊大で傲慢な態度・(P.14)を続ける限り、2大文明の衝突は必ずやって来るにちがいない。
21世紀は、宗教戦争の世紀になるのだろうか?イラク戦争の功罪は、様々あるだろうが、イラクの街で、女性がアバヤを脱いで街を歩き、Gパンをはいたり出来るようになったことも事実らしい。
カルメン.ビンラディンさんが、14年間アラビアで耐えた末、娘達の「自由」を守るため、離婚手続きに入ったのは、当然といえば、当然だと思う。
 “無宗教”といわれる現代日本人は、これからの世界の動きにどう対応していったら良いか、遅すぎないうちに、自分自身でよく考えておくべきかもしれない

以上
当「読後感」は、後藤名誉会長が、勉強会で紅一点の吉田さんに、感想を所望された事への応答です。(森谷



 

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