「遅すぎないうちに」読後偶感
 投稿者:亀谷彰  投稿日:2005年 5月24日(火)
  先に投稿されている二先輩の感想と変わるところはないが敢えて座標をかえて以下の感想を述べる。先ず、この本は極めて「恵まれた立場」にある人の「個人史」的意味合いが強い。従って、我々が知りたいこと即ち、何故、差別を必要としたのかその歴史的事項が述べられていない(少ない)。加えて、この国に暮らす一般の人の生活実態が明らかでない。改革は、極めて困難視されるにしても、もし、改革を志向するならば、「恵まれたもの」のみに限定される、所謂、まやかしに陥らせてはならないと思うから。この点の著者の考えが感情論に流れすぎていると考える。著者を批判しているのではなく、この事実の認識の上に、これを超える論理が求められる。
 翻って、日本の現状をみると、男女差別に止まらず、あらゆる処で差別が存在しているばかりでなく巧妙に進行しているように見受けられる。法は整備されつつあるというが、この法の解釈はいかようにも可能である。例えば、中小企業にとって、従業員の基本的権利である「労働基準法」の総論を守ることがいかに困難であるかが実態である。要は、「差別」「自由」「民主化」といった言葉は極めて具体性のないファ−ジーなところがあるにも係わらず、一般に安易に使われているように思える。(読書感から、かなり外れました。)ただし、ヴェ−バーを少しでも学ぼうとする目的の参考にしたいと思います。    以上
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