温暖化の現状

                        環境カウンセラー 奥野眞敏
 

新聞記事等を箇条書きに纏めてみました。
温暖化のレベルが実感できると思います。


1.今年2月25日の北極の温度は、通常より30℃も高く+2℃にまで上昇。
 カリフォルニア大によると、2017年12月〜2018年3月でも、北極の
気温は平均して20℃も高い。
   
北極の温度上昇のメカニズム:
 グリーンランドを経由して、北極に強く暖かい風が流れ込んでいる他、風で海氷が流され、海が蓄えていた熱が氷の間から放出され高温に。
   
2.北極が暑いと、北極にあった寒冷層が、中緯度に押し出され日本や欧州が寒冷となり、降雪が増えた。所謂『北極振動』の現象。Arctic Oscillation=AOと略す。
 今年の夏は一転して、高温が予想される。
 2017年5月アジアと中東で熱波が襲来。パキスタンでは、54℃を記録。熱中症の死者がでた。
欧州では干ばつが深刻化。カナダ、豪州、米国、ポルトガルなどで大規模な森林火災が発生。


3.気温の高上昇があると、空気が膨張して密度が小さくなり、飛行機の離陸に必要な揚力が不足する。このため、米国アリゾナ州では、2017年6月に約50便が欠航。


4.アラスカの一部で凍土が融けて、地肌が砂漠化したところが出現。
 凍土が融解することで、メタンガスが放出されている。これは、CO2の約25倍の温暖化効果をもつ。
南半球のシドニーでは、この1月に47.5℃を記録。オオコウモリがバタバタと地上に落ちて、大量死。
 
5.海水温も上昇。現在、沖縄のさんご礁も殆ど白化、死滅しており、魚が消え、漁民 が漁を休業せざるを得ない状態。
 豪州のバリアリーフは南北に2000kmあるが、これも70%が白化ないし死滅している由。


6.1℃の気温上昇があると、大気中の水蒸気は、7%上昇する。
 1回の雨量は、10%増加する。このため、大雨の頻度が30年前よりの比較で3割増となった。
 日本も例外ではない。熊本、広島、山陰方面、の例あり。


7.IUCN の統計では、調査対象の動植物のうち年間2万8千の種が絶滅危惧種となっている。
 生物多様性の危機が見えてきた。
 この先、人間も絶滅危惧種となる可能性あり。


8.温暖化以外の重大環境汚染。
 マイクロプラスチックが世界中の海面に浮遊している。これは、ビニール袋やペットボトル、ナイロンなど、海に流れこみ、紫外線や波により微細に砕かれたプラスチックを言う。
 マイクロプラスチックごみは、5ミリメートル以下のもの。これより小さい0.3ミリメートル以下のものは、マイクロビーズと呼ぶ。
 このマイクロビーズは、米国だけで1日 に8兆個が川や海に流れ込んでいると推計。
 これらマイクロプラスチックやビーズには、海中で有機物質が付着する。10万〜100万倍に濃縮される。
 これをエサと間違えて、小魚(カタクチイワシなど)が食べる。
 小魚はPCBやDDT汚染のプラスチックを抱えたままより大きな魚に集積される。または、水鳥に食べられ汚染が広がっている。
 世界では、年間 800万トンが流れ込んでおり、このまま流入があると2050年には、海中のプラスチックの重量が、
 海にいる魚の総重量を超えるとの試算もでている。
(カルフォルニア大など)。
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 以上の如き、不都合な状況が進行している。海水温の上昇と珊瑚礁の地球規模での死滅。海水PH値の酸性化(今日まで8.2であったPH値が8を切るところまで進んだ)。7まで行くと、貝類が消える。これらの汚染により、魚類資源は消滅するかもしれない。
皆さまには、悲観的な報告で心苦しく思いますが、これらは、すべてこの1年以内の新聞記事の纒であり、私個人の発言ではありません。
 先週、神戸でSDGs(Sustainable Development Goals) という「持続可能な開発のゴール」に関する学者、地方行政、NPOなどの小部会があり、出てきました。そこでは、生態系の保全をどう進めるかが、論題でしたが、私からは、地球温暖化をストップさせない限り、SDGsの目標は達成されないであろうと意見を述べてきました。
     


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